キャットハウスのミトレル

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猫語り

2016.12.02

【第二回】猫語り 「猫は自由気まま?」

みなさんこんにちは!ブルカニロです。
もうそろそろ寒さの厳しい冬になりますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
暖房器具が活躍しだす頃かと思います。あんなに早く過ぎて欲しかった夏も恋しくなりますね。
猫も暖を求めてあらゆる手段を駆使する姿が見られるようになりましたね。
前回はご挨拶を兼ねて銀河鉄道の夜をご紹介しましたが、今回も猫のでるロードムービーをご紹介
したいと思います。
今回は安息の地を求めて旅する老人と、猫の物語です。

 

 

おじいちゃんと猫の不思議なロードムービー

「ハリーとトント」
監督:ポール・マザースキー
脚本:ジョシュ・グリーンフェルド/ポール・マザースキー
制作:アメリカ/1974

主演はアート・カーニーと茶トラのトント。
この映画でアート・カーニーはアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞しています。
さらにトントは1975年PATSY賞(Picture Animal Top Star of the Year)という動物界のオスカーともいえる賞を受賞しています。犬や猫のみならず幅広い動物を対象にしているようです。70年代頃まではあったようですが近年は行われていない模様。現在ある人外俳優の賞といえばカンヌのパルムドッグ賞ですが、犬のみなのでPATSY賞のような全動物対象のものがあればいいですよね。

 

 

つまみ出される猫に似ている

 

主人公は72歳のおじいちゃんハリー。彼は妻に先立たれ子供達3人も独立しているため、マンハッタンのアパートに愛猫トントと共に暮らしていました。長く住み慣れたアパートですが、ある日区画整理のため強制退去になってしまいます。

こんな感じでソファーごと運ばれて強制的に追い出されてしまいます。可哀想だけどなんだかクスリときてしまうシーンです。

 

 

移動すら一苦労!

さて家を失った彼らは近くに住む長男バートの家へ移り住みますが、バートの妻に気遣わなければならい居心地の悪さからトントをつれて、まずは娘のシャーリーの元へシカゴへ向かうことを決意。
しかし、トントを連れているので公共の交通手段を使うことができず、結局中古車を買ってシカゴや末息子エディがいるロサンゼルスに向かうこととなります。

トラブルに見舞われようが猫を思うハリー…愛猫家魂をひしひしと感じます。
猫というと自由気ままなイメージがありますが、本来は環境が変わるのをとても嫌う性格です。個体差はあるかと思いますが、ストレスになってしまうようです。
新しいトイレやベッドを買っても昔のだけ使うということを度々聞きますよね。

作品を見ているとどことなくハリーもトントと似た性格をしており、猫が飼い主に似るのか、飼い主が猫に似るのか、ペットというよりは永く連れ添った気のあう親友のような関係に見えてきます。
主役のハリーとトントもとても魅力的ですが、旅の途中で出会う人も個性的で魅力的な人物が登場しています。その出会いの中に垣間見えるドラマとユーモアはほろ苦い切なさが絶妙な配分です。
ちょっと寒い季節、猫の体温を感じながら是非見たい作品です。

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