猫のいろ〜んな”エピソード”ご紹介していきます。めざせ猫博士!
みなさんはじめまして、ブルカニロです。
何者だという感じの字面のペンネームですが、私の好きな「銀河鉄道の夜」に出てくるブルカニロ博士から拝借しました。
原作小説やアニメをご存知の一部の方は「あれ?そんなのいたっけ?」と首をひねられる方もいるかと思います。
実は「銀河鉄道の夜」な何度も推敲を重ね、第一次稿〜第四次稿まで存在しています。博士はその一次稿から三次稿まで登場し、キーとなる存在なのですが第四次原稿では姿を消しています。
その第四次原稿が未完でありますが最終稿となるため、多くの書籍ではブルカニロ博士の存在しないバージョンになっています。
さて、一度そのお話はさておき
「銀河鉄道の夜」というとパッとイメージとして思い浮かぶのはなんでしょうか?
私は何と言っても大きな瞳と青い毛色が印象的な猫のジョバンニが出てくるアニメ映画版の銀河鉄道の夜です。
今回の猫語りはアニメ映画版「銀河鉄道の夜」から掘り下げていきたいと思います。
それでは!はじまり、はじまりー!
銀河を旅する猫二匹の幻想的な物語
まずは知らない方のために映画の情報とあらすじです。
お子さんとも観れて、アーティスティックな雰囲気もありますので、大人でも見ごたえのある作品です。
「銀河鉄道の夜」
監督:杉井ギサブロー
原案:ますむらひろし
脚本:別役実
音楽:細野晴臣
制作:1985 年 / 日本
あらすじ
主人公ジョバンニは遠くの海へ漁に出たっきり帰らない父と、床に伏せる母の代わって家計をささえるため子供ながら朝夕も仕事をしています。
仕事の疲れのため学校で友人と遊ぶこともできずに仲間外れにされ、父が帰らないことでからかわれます。
幼馴染のカムパネルラは気の毒そうにしているのですが、なかなか話せず孤独な日々を過ごしていました。
銀河のお祭りの夜、やはり級友の仲間に入れず、町外れの丘で夜空を一人ながめていると突然「銀河ステーション」というアナウンスが響き、気がつくと汽車に乗っておりカムパネルラも一緒だったのです。
車窓の向こうは幻想的な風景。二人の旅が始まります。
場人物がほとんど猫?
この作品では登場人物がほとんど猫です。物語の途中で登場する幼い姉弟と家庭教師だけ人間になっています。
実は途中で相席をする3人は、実在の大事故をモデルにした登場人物なので関係者に配慮して人間になっているのだそう。
例外を除き、なぜ登場人物が猫かというと、原案のますむらひろし先生が漫画化した「銀河鉄道の夜」が猫で描かれていたからなのです。 ますむらひろし先生といえば「アタゴオル」シリーズ。こちらでも主人公ヒデヨシを始め猫のキャラクターがたくさん出てきます。作品をたどるとデビュー作「霧にむせぶ夜」から猫で漫画を描いており、「猫の事務所」からインスピレーションを得たのだそう。そのほか作家としても強い影響を受けているのが伺えます。
でも宮沢賢治は猫が嫌い?
登場人物を猫に置き換えるという大胆なアレンジですが、原作小説の幻想的で童話の様な世界観を壊すことなくうまく映像化に成功している点だと私は感じます。 ですが、制作当時は一部研究家から「賢治は猫が嫌いだから」と猫にするのを反対されていたそうです。 というのも「猫」という作品で「私は猫が大嫌ひです」という一文から賢治=猫が嫌い説を推す声があったのでしょう。 しかし、宮沢賢治の作品は「猫の事務所」や「注文の多い料理店」など猫が主人公もしくは重要なキャラクターで見かけることが多く、 原稿に猫の落書きがいくつもされており、本当は猫が好きなのでは…と思える点もたくさんあります。もしかしたら、宮沢賢治も結構なツンデレなのかもしれません。
その落書きですが、とても味わい深く、ふっと笑みが零れるような愛嬌と絶妙なゆるさがあるので機会があれば是非ご覧ください。
個人的にはかなりの愛情を感じられずにはおりませんでした。
こんな感じで始まりました第一回ですが、
何卒宜しくお願いします。
あなたの宇宙のように広い猫好奇心に、もっと猫を好きになる素敵なエピソードお届けできればと思います。